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アテネ・北京五輪で銅メダルを獲得し、引退してからは活動の幅を広げている為末大さんの著書『「遊ぶ」が勝ち』を読みました。
ガッツリ努力の世界と思えるアスリートの為末さんが一見逆に見える”遊ぶが勝ち”ということを言っているのが面白いところ。真意を考えながら概要をまとめてみました。
目次
為末さんが行きついた最終地点
「走る」ということの目的が、周りの変化とともにどんどん変わっていったそうです。
走るため⇒モテるため⇒進学のため⇒お金のため⇒名誉のため…色んなものを得て、最後には「失うのが怖い」という世界に入り込んだ。
そこで走ることの意味をもう一度考え直していきついた最終地点が「遊び」だった、ということです。
その真意に少しだけ近づいてみます。
『「遊ぶ」が勝ち(著:為末大)』の目次
第1ハードル スポーツと遊び
…目標や過去の栄光(記録)の義務感から解放され、遊び感覚を取り入れることの大切さを書いています。
第2ハードル 身体を遊ぶ
…自分が向いている遊びの形と、自分の身体の感覚の大切さを書いています。いろんな遊びをしてきた人が自分に合っている感覚をつかみやすいということです。
第3ハードル コミュニケーションが遊びを拓く
…緊張が遊びの要素であり、それはコミュニケーションの中で生まれること。そして、自分のものさしを持つ大切さを述べています。
第4ハードル 教養から遊びへ
…得た情報を実践して「体感」する大切さ、コンプレックスとの付き合い方について
第5ハードル キャリアと「遊び感」
…仕事と遊びが対極にあること、その中でどう遊ぶかが大切。
『「遊ぶ」が勝ち(著:為末大)』の概要
『「遊ぶ」が勝ち(著:為末大)』はアスリートだけでなく一般人の私たちにも当てはまるものが多く、参考になります。
私たちが日常に取り入れられる遊びの条件を3つの要点をまとめてみます。
(1)努力するための遊び
努力を実現するために、人間に先天的に与えられている機能、それが遊びなのだ。
引用元:『ホモ・ルーデンス(著:ホイジンガ 訳:高橋英夫)』p167
厳密には『「遊ぶ」が勝ち』に引用されている文を引用させていただきました。
人間の”頑張り”ってずっとは続かないですよね。でも、遊びってずっとやってられます。昔、ゲームをやり過ぎてよく怒られたものです。
なるほど、本来は努力するためについていた機能だったんだ…上手く使いたいですよね!
(2)遊びは自己中であれ
何かを選んでいく時の僕の物差しの一つに、「心地よさ」がある。…「心地よさ」の基準は、「前よりもスムーズにうまくいく感じ」があるかどうかで、それが決め手になる。
引用元:本書 p113
色んなやり方、知識、情報があふれている中で、最後に判断するのは自分の感覚だということです。今溢れている「成功法」はあくまで他人が成功したやり方に過ぎないのですから。
最後は常に自分の感覚に従って判断する。自分が心地よくない遊びなんて遊びじゃないですよね。
(3)仕事を遊ぶ
大人が遊び続けるのはとても難しい。…でも、その中でどう遊ぶかというのが人間の知恵
引用元:本書 p196
為末さんもイジワルですね、答えを教えてくれない。まぁ、実際誰にとって何が遊びになるかはそれぞれだから、自分で遊びを設計するしかないんですよね。
仕事は遊びの対極にあると述べられています。しかし、例えばかくれんぼだってルールがあるけど楽しめます。規定のルール(それがノルマやら規則やらだったとしても)の中で、どう遊びの要素を設計していくかがポイントになりそうです。
本書がおすすめの方
・義務感で押しつぶされそうな方
・仕事が楽しくない方
・最近結果がふるわない方
・仕事で遊ぶなんてとんでもないと思う方
為末さんはとても理論派のアスリートで、本書もいい意味で理屈っぽいです(笑)
遊びを科学した本という感じでしょうか?責任感が強い、理論派な人ほど読んでみる価値があります。
本書を参考にしたツール
ままよカフェではマイペースな人生を自分で作るDIYツールを作って公開しています。
『「遊ぶ」が勝ち(著:為末大)』も僭越ながら、ツール作りの参考にさせていただいています。
本書を参考にしたツールはこれから順次更新していきますので、少々お待ちください。
『「遊ぶ」が勝ち』を読んだ感想(まとめ)
正直、為末さんもバリバリの体育会系だと思っていたので、精神論者だと思っていました。
私は精神論が苦手なので、最初手に取ったときは全然期待してませんでしたが、数ページで考えを改めました(笑)
仕事に遊び感覚を持ち込むのは正直、難しいです。でも不可能じゃない。ということは、「仕事に遊び感覚を持ち込む」遊びをすればいいわけです。そのくらいに思ってた方が面白いじゃないですか(*^。^*)
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